「食品問題の中でのミシュラン発売は「消費者が食を考えろ」との警告なんだと思う」
「ミシュランガイド東京2008」が全国の書店で発売されました。
発売を狙って夜中に書店に並んだり、限定フィギアが発売されて予約が殺到したり、というのはわけがわからないので別として、今回東京のお店が多数紹介され、非常に話題となっています。
食に知識のある人に評価され、選ばれて紹介されるのですから、当然素晴らしいお店で、美味い料理を出す店だと思います。
しかし、調査を断った店や、そもそも調査の対象にならなかった店の中に、素晴らしい店や美味い料理を出す店が沢山あることを忘れてはなりません。
ここ数年に起こった食品の 材料・消費期限・原産地などの偽装や、異物混入などの問題で、よく「消費者が食について考える・・・」などと言われていますが、私はさらに
「消費者が食について判断する」時代になってきたと思います。
しかし現状、これは困難で、消費者は商品に書かれている事を信じるほかに方法はありません。そんな状況ですからなおさら食品会社の偽装は重大な事なのですが、だからこそ消費者は少しでも「自分の知識や舌で判断できるものはする」べきではないでしょうか。
今年の事件後、消費者の食品表示に対する警戒・関心が高まり、熱心になりました。
しかし、消費期限(賞味期限)ばかり気にしてはいませんでしょうか?逆に言えば、「消費期限(賞味期限)が大丈夫なら安心」と思ってはいないでしょうか?
そうではなく、食材を目で見たり、推測したりする事も必要となっていると思います。
これもかなり限界があり、難しいのですが、例えば色が良くても、着色料などを使用していれば、鮮度と化学調味料の部分を割り引いて考える、などという事はできると思います。
一連の事件について不満をもっている消費者は、そのくらいすべきだと思います。
そして、「ミシュランガイド」などを過剰にありがたがらずに、きちんと食品・料理の価値を自分の知識・舌で判断できる人を増えてくれれば、と料理人として思います。
偉そうに述べてきましたが、私は超貧乏人ですので、安くて美味ければ多少消費期限くらい切れても食べます。