投稿日時:2008-09-27
現在、水に濡れたりカビや基準値を超える残留農薬が検出されて食用使用できない「事故米(もはや“毒米”といったほうが良いかもしれませんが)」が多数の会社に転売されたことが大問題となっています。
事故米である事を知っていて転売した業者はもちろん犯罪行為ですが、過去5年で計96回も検査をしたにも関わらずて不正を見抜けなかった農水省にも大きな問題があります。
そもそも毎月事故米を粉に加工する日程を事前提出させるという時点で、不正を暴くしせいではなく、形だけの検査なのです。
このような「形だけの検査」は今回の件だけではありません。
私は調理師として、ファミレスや居酒屋、ラーメン屋など10店舗以上の様々な飲食店で働きましたが、定期的にある保健所の調査も、事前に日程が決まっていました。
検査のある前日になると、調理場の人間は通常業務をしながら調理場の掃除をします。
冷蔵庫の奥や倉庫など、できる限り隅々まで掃除し、綺麗にします。
それが保健所の調査前日の習慣となっています。
これは、多くの飲食店でのごく普通の日常だと思います。
もちろん、事故米の件とはまた別の話ではありますが、「事前に日程が決まっている」という事に関しては同じだと思います。
私は若い頃、純粋に「なぜ、ちゃんとした衛生基準が守られているかを調べるのに、事前に訪問日を伝えるのだろう?」と思っていました。
もちろん、いきなりやってきたら業務的に忙しくて対応できなかったりする、業務の妨げになるという問題がありますし、お客さんもいたらいろいろとイメージも良くありません。そして何よりも、検査にパスできない店が大量に出てきてしまうと思います。
その他様々な不都合があるのだと思います。
ですから単純に「抜き打ち検査にしろ!」とは言えないのですが、もう少し、不正を見抜こうとする努力を農水省はじめ各省庁は考えるべきなのではないでしょうか。
事故米の件で、いろいろと今後の検査に関する改善案が出ていると思います。
是非改善していただき、このような不正や、食の安全を犯すような事を無くしていただきたいと、消費者としても調理師としても思います。
[ツカサネット新聞 掲載記事]文章/絵:白石ニョッキー